診療予定日時
継続的なかかわりのために
・化学療法を行っている時から受診ができるように外来を行っています。※外来は予約制 (早期からの緩和ケア外来)
・入院が必要になった際にお願いする病院でも勤務しています。
・土曜日は看護師による相談を受けています。※要予約
訪問診療エリア
訪問診療の流れ
適切な意思決定支援の指針
1.目的
本人の意志や希望、「大事にしてきたこと、大切にしたいこと」を伺った上で、本人や家族、関係者との話合いを通じ、希望する生活を可能な限り支えたいと考えています。
2.意思決定支援に求められる理念
①疾患や障がいの軌跡を踏まえ、さまざまな状態に応じた支援とそれらの移行期の支援について、外来・入院・在宅医療を通じて対応します。
②病状の変化に迅速に対応しつつ、複雑な病状と障害、からだやこころの辛さへの総合的な医療・ケアを提供します。
③医療、ケアと生活支援の統合的アプローチを行い、身体・心理・社会的問題への包括的アプローチを行います。
④利用者(本人と家族等)主体のチームアプローチを推進します。
⑤利用者(本人と家族等)のこれまでの生き方を踏まえ、これからの生き方を支えます。
3.在宅療養に即した意思決定支援の留意点
できるだけ慣れ親しんだ環境に配慮して意思決定を行います。医療・ケアの希望の合意内容は、その背景や理由に加え、人生観や価値観(大事にしてきたこと、大切にしたいこと)に関する情報も残していきます。必要に応じ、また救急搬送されるような場合に備えて、内容が確認できるように家族等と共有します。
(1)意思決定支援の前提
①日常の診療の中でコミュニケーションを図り、意思決定の前提となる様々な情報を収集します。
②医師と本人の信頼関係を構築するために、日常から誠意ある診療を行います。
③アドバンストケアプラニング(人生会議)の基本通り、本人を主体に、そのご家族や近しい人、医療・ケアチームで繰り返し話し合いを行うプロセスを尊重します。
(2)意思決定支援に際して
①意思形成の為に必要かつ十分な情報提供を行い、本人の大事にしてきたこと、大切と思うことを理解したうえで、本人の決定を優先した医療を提供します。
②本人のこれまでの人生に敬意を払い、相互の信頼を得るための努力を怠りません。
③本人が考えたくない、話したくないということも含めて、本人の意思を尊重します。
④病状の変化に迅速に対応するために、病状変化に応じた適切な医療とケアを提供します。
⑤暮らしのニーズの変化をアセスメントし、継続的な共同意思決定を行います。
(3)人生の最終段階において
①話し合いに基づく本人による意思決定を実現するため、多職種で協働しながら人生の最終段階における医療を提供します。
②人生の最終段階における医療行為の選択、医療内容の変更、医療行為の中止等は、本人の大事にしてきたこと、大切と思うことを尊重しつつ、多職種の専門性を有した医療従事者から構成される医療・ケアチームにより、医学的妥当性を基に慎重に判断します。
③医療・ケアチームにより、可能な限り苦痛や不安、その他不快な症状を十分に緩和し、本人ならびに家族等の精神的・社会的な援助も含めた総合的な医療及びケアを行います。
4.本人の意思決定支援をした上での本人の意思確認
本人の意思決定能力は個々により違いがあります。私たちが支援することで、その能力を高めることが可能な場合もあります。意思決定能力に疑いがあっても、私たちがまず可能な意思決定支援をします。
(A) 本人の意思の確認ができる場合
①専門的な医学的検討を踏まえ、説明と同意(インフォームドコンセント)に基づく患者の意思決定を基本とし、専門職種で構成される医療・ケアチームとして意思決定支援を行います。
②治療方針の決定に際し、患者と医療・ケアチームが十分な話し合いを行い、患者が意思決定を行います。
③時間の経過、病状の変化、医学的評価の変更に応じて、また患者の意思が変化するものであることに留意して、その都度説明して本人の意思の再確認を行います。
④このプロセスは、患者の意向を汲み、家族等にも情報を共有します。
(B) 本人の意思の確認ができない場合
①家族等が本人の意思を推定できる場合には、その推定意思を尊重し、本人にとっての最善の治療方針をとることを基本とします。
※なお、本人が意思を伝えられない状況になった場合に備えて、特定の家族等を自らの意思を推定するものとして、あらかじめ確認しておくことは望ましいです。
②家族等が本人の意思を推定できない場合には、本人にとって何が最善であるかについて家族等と十分に話し合い、本人にとっての最善の治療方針をとることを基本とします。
③家族等がいない場合及び家族等が判断を医療・ケアチームに委ねる場合には、医学的妥当性に基づき、本人にとっての最善の治療方針をとることを基本とします。
(C) 複数の専門家からなる「話し合いの場」の設置
治療方針の決定に際し、下記の場合には複数の専門家からなる「話し合いの場」を別途設置します。専門家は医療・ケアチーム以外の者を加え、示された検討結果及び助言に従って療養の方向性を決定します。
①医療・ケアチームの中で、本人の病態等により医療・ケア内容の決定が困難な場合
②本人・家族等との話し合いの中で、妥当な医療・ケア内容の合意が得られない場合
③家族等の中で意見がまとまらない場合や、医療従事者との話し合いで、妥当な医療・ケア内容の合意が得られない場合
5.まとめ
意思決定支援においては、正解は無く、各人の多様な意思を尊重しながら支援していくことに留意しなければなりません。
医療従事者の価値観を押し付けることはせず、本人の意思を尊重しながら、対等な立場で共同して意思決定を合成し、誰しもが迎える「死」を少しでも納得できるものに近づけるよう、努めます。
人生の最終段階の医療とケアに関する話し合いの指針
第1版 2022年4月
1.基本的な考え方
人生の最終段階とは、‘高齢による身体の脆弱化’や‘治癒困難で生命を脅かす疾患’のために余命が限られたものとなった時期である。人生の最終段階において医療とケアを受けるうえで多くの人が重要と考えることは、心や体の苦痛がないこと、希望する場所で過ごすこと、家族や周囲の人に負担をかけないこと、身の回りのことが自分でできること、希望や楽しみを持って過ごすこと、納得がいくまで治療を受けられること、自然な形で最期を迎えられること、などが大事だといわれている。病状の進行などで、これらの要素を全て実現することは次第に困難となる。身体的にも心理的にも不安定な人生の最終段階においては、その人のこれまでの生き方や考え方を医療者が理解したうえで、本人と家族を含めた話し合いによって優先すべき目標が設定され、その時々の病状に応じて話し合いを繰り返し行うことで医療とケアの見直しがなされることが求められる。
人生の最終段階において、本人と家族が可能な限り希望に沿った生活を送ることができ、その上で、できるだけ納得できる形で最期を迎えられるよう支援することが、この指針の目標である。
2.具体的な話し合いの行い方
(1)人生の最終段階の判断
加齢や疾患に伴う身体機能の低下とそれに伴って必要とされる医療の程度の変化をもとにして、人生の最終段階の判断を行う。すなわち、身体機能の低下が進行し、‘今後起こりうる合併症や病状の悪化を乗り越えることが難しい可能性がある’‘今後半年〜1年の間に死亡したとしても驚きではない’と医療者が判断した場合に、人生の最終段階が近づいていることを本人・家族と共有し、話し合いが行えるように働きかけるものとする。
<最終段階に近いと判断される身体状況の例>
・食事や着替え、外出を一人で行うことが困難になったとき.
・誤嚥性肺炎によって入院が必要となったとき.
・原病の悪化や合併症によって1年に2回以上の入院を行うようになったとき.
・食欲が低下し、輸液や経管栄養を継続する必要が生じたとき.
(2)話し合うタイミング
身体機能低下に伴う合併症等によって入院した直後や、発熱や呼吸困難などの苦痛症状が強い時期は、本人も家族も現在のことで手一杯であり、将来のことを話し合う余裕はない。合併症への治療によっていったん症状が改善したときが、今後の変化に備えた話し合いを行うべきベストのタイミングである。
当院においては、原則として、急性期病棟から地域包括ケア病棟・療養病棟に移動する際に最初の話し合いを行うものとする。入院継続中の場合は、何らかの体調変化が起こった後に症状がやや落ち着いた時期に話し合いを行う。その後、命に関わるような合併症が生じる可能性が高くなった時期に再度話し合う。 このように、機会をみて繰り返し話し合いを行うことが重要である。
(3)話し合いの準備と場の設定
医師が身体状況の変化や検査結果をもとにして医学的な見立てを行うとともに、本人が置かれている状況(ADL・家族構成・経済的な状況・住居の状態etc.)を医療チームとして把握し、今後の方針を話し合う場に誰が参加すべきかの判断を行う。
その後、本人と参加する家族に対して、将来体調が悪化した時に備えてどのような治療やケアを行うことを希望されているかを話し合う機会を設けたいことを説明し、場の設定を行うとともに、本人と家族が話し合いの準備を行うことを促す。
(4) 話し合いの進め方
まず、医師やその他の医療者が必要な情報の提供と説明を行う。医師による今後の病状変化や予後予測に加え、食事・移動・入浴・排泄などについてどのような支援が必要なのかを医師以外の職種が説明を行うようにする。
次に、本人と家族から、これまでの生活、行ってきた治療、現在の体調、今後の希望をどう考えているかを聞き取る。今後の生活の中で、どこで過ごしたいのか、何を大切にしたいのか、を尋ね、本人の価値観を共有することが重要である。
以上の情報共有をもとに、現在の病状が続くときにどのような医療とケアを行っていくか、今後病状が悪化したときにどのような医療とケアをどこで行うか、について話し合う。さらに可能であれば、人生の最後を迎えるときにはどのように迎えることを希望するかについて話し合う。
(5)本人の意思の確認ができない場合の話し合い
認知機能の低下によって本人の意思の確認が難しい場合であっても、話し合いの場にはできる限り本人も同席するように場の設定を行う。病状が重い場合など、長時間の話し合いへの同席が本人にとって負担となる場合には、本人を含む話し合いを短時間行ったあと、別室で家族と医師および多職種によって話し合いを行う。
家族がいない場合及び家族が判断を医療チームに委ねる場合には、 本人にとって最善と考えられる方針を医療チームとして選択し提案する。
(6)病状の変化に応じて話し合いを繰り返し行うこと
時間の経過、心身の状態の変化、医学的評価の変更等に応じて本人や家族の意思は変化しうるものである。病状の変化や本人や家族の希望に応じて、その都度話し合いの場を設定し、本人や家族が意思の変更や不安を伝えることができるような支援を医療チームとして行うことが必要である。
(7)話し合いの記録
上記によって話し合われた内容については、その都度文書にまとめて記録を行う。
3.方針の決定が困難な場合のコンサルテーション
本人、家族、医療チームの間で話し合った結果、それぞれの考えが一致せず合意が得られない場合や、本人や家族から医療上適切と考えがたい方針の希望が出され話し合いに難渋する場合には、臨床倫理委員会等へのコンサルトを行い、方針についての検討を依頼し助言を得る。
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あんねい訪問看護 西谷 | 訪問看護 | 大河原 亜矢子 | 神奈川県横浜市保土ケ谷区西谷3-1-1-302 |
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横山医院 在宅・緩和クリニック 院長
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